偏頭痛の原因とは?
私たちが「頭が痛い」「頭痛がする」と感じるとき、頭蓋(ずがい)の骨や脳そのものが痛いわけではありません。頭蓋の中にある痛覚感受部位が受けた刺激が三叉(さんさ)神経などを伝わり、大脳が「痛い」と判定すると、「頭が痛い」と感じます。
痛みを感知する痛覚感受部位に当たるのは、脳内の血管と、脳と脊髄を覆う硬膜です。これらの血管と膜に炎症が起こったり、圧迫されたり引っ張られたりした場合などに、頭痛が発生します。また、首や肩など、頭部周辺の筋肉の緊張も、頭痛の原因となります。
三叉神経とは、12種類ある脳神経のうち最も大きな神経で、目、上顎、下顎へと3つの枝に分かれてつながっていることから、三叉神経という名前で呼ばれています。片頭痛(偏頭痛)には三叉神経が影響していると考えられています。
頭痛
頭痛にもたくさんの種類があり、その内容によって対処方法が異なってまいります。
頭痛は主に「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分けられます
頭痛の種類は大きく分けて2つの種類があります。
一次性頭痛
頭痛の種類はさまざまで、2013年に発表された国際頭痛学会の分類では、約350種類もの頭痛があります。いわゆる“慢性頭痛”や“頭痛持ち”の頭痛に該当する頭痛は、頭痛の原因となる他の病気がないのに繰り返し起こる「一次性頭痛」に分類され、片頭痛や緊張型頭痛が含まれます。
二次性頭痛
何らかの病気が原因で起こる頭痛は「二次性頭痛」に分類され、頭部の外傷によって起こる頭痛から、登山や潜水による頭痛など、いろいろなタイプの頭痛が含まれます。中でも注意したいのが、くも膜下出血や髄膜炎といった、命にかかわる病気が原因の頭痛です。今までに経験したことのないほど激しい突然の頭痛、高熱や嘔吐、項部硬直(首を動かしにくい状態)を伴う頭痛の場合は、すぐに病院へ行きましょう。
片頭痛はズキンズキンとした痛みが長く続くのが特徴です
片頭痛は20~40歳代の女性に多くみられる頭痛で、強い痛みのせいで日常生活に支障をきたす人もいます。片頭痛の詳しいメカニズムは解明されていませんが、脳の血管が拡張し、その周囲の三叉神経が刺激されて生じると考えられています。血管の拡張に関連するとされているのが、セロトニンという神経伝達物質です。
頭痛が起こる前兆としてキラキラした光が見える、こめかみから目のあたりにかけて痛む、心臓の鼓動に合わせてズキンズキンと痛む、またはガンガンする、光や音で悪化する、めまいや吐き気がするなどが片頭痛の特徴的な症状ですが、現れ方には個人差があります。片頭痛が起きる数日前や数時間前から、生あくび、イライラ、空腹感などの体調変化を感じる人もいます。
片頭痛を引き起こす要因としては、ストレスをはじめ、急激な気圧や気温の変化、騒音や人混み、睡眠不足や睡眠過多などが挙げられます。チョコレートやピーナッツなどの特定の食品が片頭痛のきっかけとなるといわれていますが、仕組みはよくわかっていません。アルコールは、血管を拡張させることで片頭痛を誘発すると推測されています。女性の場合は、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が低下する排卵時のほか、月経(生理)の数日前から月経期にかけて起こることもあります。
動画で偏頭痛について解説!
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